玉城デニー沖縄県知事を選んだ沖縄県民の民意
沖縄の米軍普天間飛行場を名護市の辺野古に移設する計画に反対していた元沖縄県知事の翁長雄志氏。
そんな翁長知事は、膵がんにより8月8日に死去。
翁長知事の後継者として、辺野古移設反対を掲げ沖縄県知事選に出馬した玉城デニー氏(58)が、沖縄県民の支持を受け、9月30日に初当選をしました。
沖縄県では過去最多の39万6632票を獲得。
自民党、公明党、日本維新の党、希望の党らが推薦した2位の佐喜真淳氏(54)の獲得票数は31万6458票。
8万174票のもの差をつけての、いわゆる大勝利。
これにより、沖縄県民としては、「辺野古移設に反対」を支持したという形になりました。
沖縄に忍び寄る中国の脅威
中国軍の指揮下に置かれた中国海警局の船が領海に侵入など、中国による日本の領海侵入が繰り返されている実態があります。
米国などの反対を押し切って、南シナ海では、中国は海洋進出のために、人工島の埋め立てや軍事化、実効支配を、着々と進めている状況です。
辺野古埋め立て工事の再開
政府は10月31日に埋め立て承認撤回の効力が停止したとして、11月1日の朝に、辺野古の埋め立て工事を開始しました。
玉城デニー沖縄県知事は、国との対話を求めていましたが、要望には応えず、政府としては、従来通りの方針を強行するという姿勢が浮き彫りとなりました。
政府としては、年内にも埋め立て土砂の投入に着手する方針との事です。
ローラさん「辺野古埋め立てストップ!」
人気女性タレントのローラさん(28)が、自身のインスタグラムで「辺野古の埋め立てをストップさせよう」といった政治的な発言をされているとして話題になっています。
ローラさんは、
「We the people Okinawa で検索してみて。美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの。名前とアドレスを登録するだけでできちゃうから、ホワイトハウスにこの声を届けよう」
news.nifty.comとのメッセージをローラさんのインスタグラム、520万人ものインスタグラムのフォロワーに向けて呼びかけを行いました。
We the peopleというのは、アメリカのホワイトハウスに、請願を行う事が出来るサイトです。
ローラさんの影響もあってか、請願は19日には12万筆を超えたと言います。
米国では、ハリウッド女優などが政治的な発言をする事は一般的なようですので、その影響もあるのかもしれませんね。
ローラさんとしては、
「安倍総理は沖縄の綺麗な海を奪おうとする悪い人」
「沖縄の綺麗な海を、絶対に壊しちゃダメ!」
といった純粋な気持ちから言っているのだとは思いますが、日本には仮想敵国である中国との関係があり、沖縄は安全対策上、非常に重要な拠点であると捉えられており、そう簡単に「じゃあやめましょう」とは言えない事情があるわけです。
沖縄の美しい海はもちろん大切ですし、移設に反対する事はとても簡単な事です。
ですが、辺野古移設の問題は、長年、議論に議論が重ねられて、決定しているという経緯もあります。
ですのでローラさんには、辺野古移設を中止して、いったいどのように今の沖縄の問題を解決すればよいのか、その辺のご意見もぜひお聞かせいただきたいなと思います。
では一体なぜ、米軍普天間飛行場を辺野古に移設する事が決まってしまったのでしょうか?
共同通信 記者質問
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に関して、沖縄県の玉城デニー知事は、首相との対話を求めていたにも関わらず、工事再開されたのは極めて残念だと述べています。
玉城デニー知事側が求めている政権とのいわゆる対話の必要性や重要性について、菅官房長官の認識を伺えますでしょうか。
普天間飛行場 辺野古移設決定の経緯
まずこの辺野古基地へ移設するという事でありますけれども、長年に渡って沖縄県との間で政府は話し合いを重ねて来ました。
元々、今から22年前に、当時の橋本龍太郎元総理と、モンデール米駐日大使の間の会談であります。
そこで、世界で一番危険と言われる普天間飛行場、現在においても、周りを住宅地に囲まれて、そして色んな落下物があったりとか、色々と危険な飛行場であります。
そうした普天間飛行場を全面返還をし、沖縄県内でその移設先の基地を作る。
そういう事で合意したのが、今から22年前なんです。
住宅地に囲まれた世界一危険と言われる普天間飛行場
で、それから3年後には、沖縄の県知事と、地元の市長の同意のもとに、辺野古移設、これを閣議決定を致しております。
そういう中で、沖縄や政府の多くの関係者のみなさんが努力を重ねたにも関わらず、移設は進んでこなかったんです。
第2次安倍政権が発足して、平成25年の12月に辺野古移設に必要な埋め立て承認を、沖縄県から頂戴しました。
そして、今、工事を進めさせて頂いているわけであります。
日本政府が考える辺野古移設のメリット
玉城知事と官邸でお会いした際にも、こうした普天間飛行場の危険除去、全面返還。
そして、沖縄基地負担軽減のために、政府が進めているこの状況について、お話をさせて頂きました。
しかし残念ながら、そこについては埋め立て反対で、ご本人も当選をされておりますので、立場がおありだという風に思っています。
そういった中で、政府としてはですね、この辺野古移設が実現をすれば、飛行経路が海上になります。
安全性は格段に向上し、そして騒音も大幅に軽減される。
今、1万数千世帯が、住宅防音が必要になっていますから。
そういうものが0になります。
そうして、規模としては約1/3。
更に、辺野古移設と合わせて、沖縄に所在する米軍の約2万8千人のうちの約1/3の9000人がグアムをはじめですね、海外に移転する事も決定し、今、事業も現実的に進んでいます。
政府としては、早期に辺野古移設と普天間飛行場の返還を実現したい。
この考え方には、全く変わりはありません。
こうした事を、丁寧に進めさせて、説明をさせて頂きながら、工事を進めさせて頂きたいという考え方に、全く変わりはないという事です。
政府としても、別に辺野古を埋め立てたいからやっているというわけではなく、現状考え得る上で、この方法が最良だろうと思っているから、進めているわけです。
辺野古移設に反対されるローラさんに、もっといい案があるのであれば、是非ともお聞かせ頂きたいと、政府も思っているのではないでしょうか。