アップルから訴えられるSAMSUNG
アップルの携帯音楽プレイヤーipodに日本の特許を侵害されたとして、日本の発明家、斎藤憲彦さんがアップルの日本法人に100億円の損害賠償を求めていた訴訟の控訴審で、知的財産高等裁判所は、アップル側の特許侵害を認め、一審判決とほぼ同じ額、3億3000万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
最近、こうやって知財といいますか、知的財産権に関する訴訟が数多く起こっています。
中でも顕著な例が、アップルと、韓国の大手家電メーカーSAMSUNG(サムスン)との間での訴訟問題。
訴訟問題に関しては、「売国経済アジアの勝者は日本だけでいい」に詳しく書かれています。
SAMSUNGの倒産で韓国が終了する理由
アップルとSAMSUNGは改めて、何を揉めているのでしょうか。
携帯電話に対する特許、いわゆるスマートフォンの特許部分になるわけなんですけれども、それを理解する前に、なぜSAMSUNGが潰れと、韓国が潰れるのかという話をさせて頂きたいんですね。
韓国のGDP国内総生産の約4分の1は、SAMSUNG一社で出来上がっているんです。
で、更に上場企業81社のうち、利益の48%は、SAMSUNG(サムスン)1社で稼ぎ出しているんですね。
上場企業の利益の半分近くが、SAMSUNG1社で稼ぎ出している国なんですね。
その国において、SAMSUNGの利益の70%は、携帯電話事業という構造体なんですよ。
つまり、SAMSUNGの携帯電話が売れなくなると、国の4分の1の経済が消え、上場企業の売り上げの半分が消え、という事は、国家が破綻するという事なんですね。
更に言えば、SAMSUNG(サムスン)生命と言う生命保険株式会社があって、これがですね、国内シェアの4割を握っている。
SAMSUNGに、お金を貸しているわけです。
ですから、もしSAMSUNGが潰れると、そのサムスン生命も破綻して、国内の生命保険雄40%のお金が消える。
同時に年金や、基金などもSAMSUNGの株式、債券を大量に持っていますので、それも消える。
という事で、国が消滅してしまう。
韓国人からSAMSUNGが攻撃される理由
ですから、韓国の人達は由々しき問題として認識しているという事になると思うのですが、
ただし、韓国は本当に貧富の差が激しい国で、いわゆる10大財閥がGDPの74%を誇るという国であって、その他大勢の人たちにとって、SAMSUNGはある種、敵にもなっているんですね。
SAMSUNGによる知的財産権の侵害
今回、アップルとSAMSUNGといのは、スマートフォンの特許で訴訟しているわけですね。
でももうこれは、始まったのが2010年なんですね。
アップル側からSAMSUNGに対して、スマホとかタブレットに、コンピューターのあらゆる部分でアップルの特許を利用していると、それはおかしいではないかという事がそもそものきっかけですね。
ただ、この根底にはですね、アップルが元々SAMSUNGに対して、生産委託をしていたという経緯があるんです。
ですから、iPhoneやiPadなどをアップル製品としてSAMSUNGが受託生産をしていて、その時に大量の技術が盗まれたのではないかと、その技術を利用しているのではないかというのが、アップル側の言い分なんですね。
簡単に言うと、アップルがSAMSUNGにiphoneを作ってくれないかと、最終的にはアップルの製品として売るからねと依頼し、SAMSUNGは分かりましたと言って作りましたと。
そのうちにノウハウが分かったので、自分の所から、SAMSUNGはSAMSUNGのブランドで出したという事なんですね。
そこでアップルは、開発した権利は私たちにあるだろうと、それで知的財産権という特許料を訴訟で出せと、これが大まかな話なんですね。
アップルとサムスン訴訟はどちらが勝っているのか?
アップルが当然、ほぼ全勝に近い状況で、それぞれ訴訟が世界中で行われているので、国や条件によって違いますけれども、確定判決だけでもすでに1000億円に近いアップル側の勝ちというふうになっています。
今の話では、一方的にアップルが正しいように感じるのですが、ただ反面、サムスンも訴訟を起こしていますよね。
これはどういう事なのでしょうか。
SAMSUNGが逆訴訟する狙いとは?
携帯電話などの技術で標準特許というものがあるんですね。
みんなで、使わないと、特定のメーカーだけですとね、普及しませんよね、携帯電話というものが。
ですから、この標準特許の部分でSAMSUNGは、訴訟を起こしているのですが、標準特許を訴訟の対象としてはいけないという事で、欧州では大変な問題になったと。
逆に、欧州側に、独占禁止法違反でSAMSUNGが訴えられるという事態に至ったという事があるわけです。
何かこう、アップルとSAMSUNGの訴訟。
アップルが訴え、SAMSUNGが訴え返しているという状況、普通だと和解だなんだという話が出てくるものなのですが、この和解という話はどうなのでしょうか。
逆提訴と言われるんですけれども、相手が持っている特許に対して、逆に訴えて、それで和解に持って行くという方法なんですけれども、持っている価値が違いすぎちゃうんですね。
和解に持って行こうという意味で逆提訴に持ち込んでいるという側面もあるんですけれども、アップルが持っている特許が例えば1兆円だとしますよね。
もう片方の価値が10億円だとします。
そうしますと、これは和解のしようが無いですよね。
そういう状況に陥っている。
で、特許違反が認められた場合、輸入を差し止め出来ますから。
輸入差し止めという事は、もう致命的な打撃を与える事が出来る。
敵がいなくなるという事でもある。
そこをアップルは狙っているという所もあるんでしょうね。
スマートフォンの訴訟問題がなければ、アップルとSAMSUNGは、良好な関係だったと考えた方がいいのでしょうか?
やはり、SAMSUNGが目障りな存在になってきた時点で、アップルの訴訟対象になったという事でしょうね。
今後これはどうなって行くのでしょうか。
もう、訴訟を繰り返していくしか無くなるわけで、体力勝負みたいなところが強いのではないかと。
韓国を存亡を左右する大変な問題になるのか?
先進国共通の問題として失業率の上昇と言うものがあるわけですね。
この最大の理由と言うのは新興国からの安価な産品の流入なんです。
安い商品が入って来ちゃうから、先進国の高い人件費で作るものが売れなくなる。
これが最大の問題で、これへの対処として先進国が手を結んで、知的所有権を使って、守って行きましょうというのが、共通のコンセンサス(合意)になりつつある。
その中でこれが、特徴的に、象徴的に行われていると見た方がいいんですよ。
安倍総理がパリで開かれたOECD(経済協力開発機構)閣僚理事会で、基調講演をしました。
その中で、基本的な価値を共有する国々と、公正なルールの下で競争が確保される大きな経済圏を作り上げていくと。
知的財産権侵害など、国際機関からの逸脱が目立つ中国を、暗にけん制したとなると、韓国のSAMSUNGもそうですけど、中国もそういう事なんですね。
中国や韓国などの、特許を無視した、知的財産権を無視した大量の安価な商品が、先進国の経済を苦しめているという現状を、先進国側は重視しているという事だと思います。
東芝の技術をスパイを通じて盗む韓国
韓国のSKハイニックスという所が、スパイを通じで、東芝の最先端技術を盗むという問題がありましたよね。
となると、こういった知的財産に関する問題と言うのは、今後増えていくと考えた方がよいのでしょうか?
この知的財産権の問題に関して、政府が訴訟を支援すると言っていますね。
東芝に関しては、1100億円に近いばいしょうがくになるのではないかと言われておりまして、これ以外にもですね、新日鉄とポスコの間の訴訟もあるように、どんどんこれから増えていくと思われます。
TPPでの知的財産権の行方
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)、ここでも知的財産権の保護、ここに関する交渉が難航しているという話なのですが、これはどうなって行くのでしょうか?
やっぱり、先進国側は折れられない問題だと思います。
また、TPP以外にも知的財産権に関してはまだ発動はしていないのですが、発行していないのですが、ACTAというもので、先進新興国からの輸出を止められないのであれば、先進国側が手を結んで、輸入を止めてしまいましょうという仕組みも、もうそろそろ発動する予定になっておりますので。
これが発動すれば、先進国へ輸出出来なくなるので、生産できなくなるという構図が出来上がると思います。
確かに、知的財産というものを改めて考えた時に、せっかく手間暇かけて、それこそ1年や2年ではないわけですよね。
研究に時間もお金も費やす、それでやっと開発したもの、それをいとも簡単に、他の国に同じように作られてしまったら、これはもう、元も子もないという気持ちになりますよね。
開発投資が出来なくなってしまいますからね。
次に開発するという意欲まで失せてしまうという事ですからね。
レントシーキングとうのはいま問題になっていますけれども、それの最たるものですよね、かりもの経済。
2015年9月