関西生コン 威力業務妨害容疑で8人逮捕
関西生コンのドン 武健一逮捕事件の真相 須田慎一郎
NHKをはじめとして、テレビでは殆ど報道されていませんが、8月28日に関西生コンのドンと呼ばれる武健一という人物が威力業務妨害の罪で逮捕されるという事件がありました。
この関西生コンのドンが逮捕されたという事件を、なぜテレビは報道しようとしないのでしょうか?
それを理解するためには、まずは生コン業界の仕組みを、簡単に理解しておく必要があります。
倉庫などの建物を建設するためには、セメントが必要になりますよね。
そのため、太平洋セメントなどといった、セメントを作るためのセメントメーカーがあるわけです。
そのセメントをメーカーから工事現場に直接販売するのでなく、間に商社というものが仲介として入ります。
その商社が、セメントメーカーからセメントを購入し、工事現場に販売するという「小売り」が発生するわけです。
8月に逮捕された生コン業界のドンこと武健一容疑者、起訴されていますから武健一被告ですね。
この武健一被告は関西生コン(全日本運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)という長ったらしい団体の執行委員長です。
関西生コンの執行委員長がどのような事をしているのかとういうと、商社が仲介して、セメントが各小売りの所に移動してくる。
そのセメントに水や砂利などを混ぜて攪拌し、生コン(生コンクリート)にして、各々の建設現場にコンクリートミキサー車に積んで運んでいくわけです。
この建設現場にコンクリートミキサー車で生コンを運ぶ運送業を行う中小企業に所属する人の労働組合。
例えば、コンクリートミキサー車を持っている人やそれを運転する人、そういった人たちが入っている労働組合で執行委員長をしていたのが、逮捕された武健一被告だというわけですね。
意外と知られていない事なのですが、生コンというは、非常に寿命が少なく、セメントを水や砂利と攪拌して作ってから、90分程度しか、製品としてもたないのです。
固まってしまって、製品として使い物にならなくなってしまうんですね。
ですから、生コンは、コンクリートミキサー車素早く工事現場に運ぶ必要があるのです。
ですが、武健一被告が委員長を務める関西生コンのような労働組合が、「組合活動」「労働争議」というのを大義名分として、工事現場に生コンを運ぶコンクリートミキサー車を、実力行使で行かせないように妨害を行うわけです。
そのような妨害を行われてしまうと、生コンは使い物にならなくなり、工事現場もストップしてしまう。
会社としては大損害を被ってしまうわけです。
関西生コンの妨害行為はなぜ許されるのか?
関西生コン及び、武健一被告のこのような妨害行為がなぜ許されるかというと、今の法律のおかしなところなのですが、労働組合の労働争議という名目になれば、刑法及び民法の影響が、及ばなくなってしまうという事情があるからなのです。
そのため、暴力行為を働いたとしても、刑事事件として殆ど立件される事が無いのです。
関西生コン及び、武健一被告は、そのような絶対的な立場を利用して、「生コンを運ばない」という事を背景として、「運送料を上げろ」であるとか「この特定の業者にセメントを売れ」といった圧力をかけていくわけです。
それも、暴力団顔負けの、非常に暴力的な方法で。
共産党に見限られた関西生コン
この関西生コンというのは、連帯労働組合という事もあって、以前は共産党軽であったという過去があります。
ですが、共産党は、関西生コンのあまりにも過激なやり方を問題視し、共産党から除外されてしまいます。
更に、除外だけにはとどまらず、公式にといった形ではありませんが、共産党は裏では、かなりこの関西生コンに対して、攻撃しているといった話もあるほどです。
共産党という党派は、自分たちから袂を分かった人達に対しては、非常に強い攻撃を加えるという特徴がありますからね。
そのため、共産党系の記者が書いた記事を巡り、名誉棄損として、刑事告訴や民事告訴など、バチバチにやりあっているという状況もあったりするんですね。
関西生コンと金と暴力
近畿地区を代表する生コンを提供している小売業者のトップの話によると、関西生コンはとにかく「金」を要求してくると。
とにかく「金」だと。
それに応じなければ、暴力的に妨害行動をしてくるので、ほとほと嫌気がさしているという話です。