インド太平洋に6.8兆円
11月18日 産経新聞
米副大統領(ペンス)中国の一帯一路を批判
インド太平洋という地域に対して、一帯一路という戦略の名前のもとで。
インド太平洋地域と言うのは、小さな島国が多いんですね、貧しい島国が多いんです。
そこに中国が札びら外交で、思い通りにしようとしていると。
一帯一路での中国の恐るべき狙い
今回にパプアニューギニアもそうですけど、APECもそうですけど、パプアニューギニアの施設も中国の出資で出来ていたりとか、様々な国々にお金を貸して、そこの公安利権を取ろうとしているんですね。
公安利権を取って、軍港化しようとしているのではいかと言われている。
そうなってくると、中国が太平洋に向けて、どんどん侵略していく原因になると。
南シナ海が、今、大問題になっていますけれども、太平洋全体、またインド洋まで含めて、南シナ海と同じような状況になりかねないという事で、アメリカなどがインド太平洋に6.8兆円と。
インド太平洋ファンドと日米の構想
このインド太平洋ファンドというものなんですけれども、これは元々、日本の開かれた太平洋戦略、セキュリティ・ダイヤモンド構想の上に乗るものなんですね。
元々、日本の構想と、アメリカ側のペンスさんとの構想が合致する形。
そこに対して、オーストラリアも2500億円くらいかな、投資する事を決めて、他にもイギリスやフランスなど、他の国々にも今、呼びかけていまして。
アジア・太平洋における西側勢力のファンドを作って、中国の一帯一路に対抗していこうと。
これに関しては、先日の日米首脳会談の際に、日本側の国際開発銀行、貿易保険機構などと、アメリカ側の対外投資の委員会、民間投資の委員会と、それ以外の国々のいわゆる共同体みたいなものがですね、全部覚書を交わしはじめまして、それで、一つのファンドを、国際連携の中で作っていく。
一帯一路とインド太平洋ファンドの最大の違い
中国の一帯一路と、このファンドの最大の違いはですね、資金力が無尽蔵なんです、インド太平洋ファンドって。
なぜかというと、中国の一帯一路というのは、中国のお金をそのまま投資します。
なので、中国の出したお金から膨れ上がらないんです。
ところがこのインド太平洋ファンドは、後ろに日本政府やオーストラリア政府やアメリカ政府がくっついていて。
いわゆる投資銀行ですから、投資銀行モデルですから、いわゆる見せ金を作るわけです、基金として。
例えば1兆円の見せ金が出来ましたと。
そうなってきた場合、この1兆円の見せ金で、債権を発行するんです。
債券で、非常に低い金利、アメリカ国債とほぼ同等か、それ以下の金利で世界中から資金を調達する。
それを投資に充てるものですから、この1兆円の見せ金が、20倍とか30倍になるわけですよね、将来的には。
なので、今回6.8兆円という事ですが、これはオーストラリアもお金を出すでしょうし、日本政府もお金を出していくと思います。
その結果ですね、100兆円とか、中国の一帯一路を超える金額の、さらなる大きなファンドが出来上がっていく可能性がある。
中国が考えそうなこと
ただし、1つのポイントがありまして、あくまでも相手国がインフラ開発をした事によって豊かになって、現地の人達を使って、そして技術移転をして、それがその国の発展に貢献して、その借金を相手国が払える状況にしなくちゃいけない。
ですが、中国の一帯一路には、これが全く無いんですね。
あくまでも借金漬けにして、払えなくなったら租借権で土地を奪っていく、権益を奪っていく、こういうやり方は辞めましょうと。
質の高いインフラの共同声明という形で、伊勢志摩サミットの際、日本側が提案する形で、インフラといものは、これ以下の基準のインフラは、いわゆる世界銀行だとか、国際的な金融機関はお金を貸しませんと。
また、現地の人を、しなくちゃいけません。
現地に技術移転しない事業に関しては、インフラ投資として、世界銀行や、アジア開発銀行は、お金を出しません、というルールを決めてしまったんです。
そのあと、G20でも決めた。
これに焦った中国がですね、今まで国際開発案件の6割近くは中国企業が取っていた、いわゆるダンピングをしてですね。