日産 カルロスゴーン逮捕の衝撃
日産自動車の代表取締役会長であるカルロスゴーン容疑者(64)が、報酬を約50億円過小申告していた事が発覚し、商品取引法違反で逮捕された事で、世界に衝撃が走っています。
共謀したとして、ゴーン容疑者の側近、代表取締役であるグレゴリー・ケリー容疑者(62)も逮捕されました。
それを受け、日産の西川広人社長は、本社で緊急記者会見を開き、事件の経緯を語っておられます。
2000年6月に日産自動車の社長に就任したカルロス・ゴーン氏
21,000人もの従業員をリストラし、「コストカッター」などと囁かれ、恐れられましたが、社長就任当時2兆円ともいわれた有利子負債を返済し、日産V字回復の立役者であるといわれている人物です。
カルロスゴーンへの強い憤り
昨日、緊急記者会見を行った日産の西川社長は、カルロスゴーン容疑者が会社の資金を私的に流用していた事を明らかにしました。
ゴーン容疑者は、日産が保有する世界6か所の高級住宅を自ら利用し、その一部はゴーン容疑者に無償で提供されていたと見られています。
カルロスゴーン容疑者は、日産の社長に就任し、わずか一年で旧知の日産を黒字をV字回復。
まさに救世主となりました。
今年の上半期には、日産(会長)、ルノー(会長兼CEO)三菱自動車連合(会長)の販売台数が、世界のトップに立ちました。
そんな栄光の最中、昨日、カルロスゴーン容疑者は、100億円もの報酬を約50億円と過少申告していた事が発覚し、商品取引法違反で逮捕た事が判明しました。
日産の西川社長は、緊急記者会見を開き、カルロスゴーン容疑者を、社内調査した結果、本人の主導による重大な不正行為が大きく3件見つかった事を発表しました。
カルロスゴーンが犯した3つの不正行為
1つ目:開示される自らの報酬を少なく見せるため実際の報酬よりも減額し有価証券報告書に記載したという不正行為
東京地検特捜部によれば、2011年~2015年までに99億9800万円の報酬を得ながら、49億8700万円しか申告していない事が発覚し、偽った額は50億円を超える疑いがあるといいます。
2つ目:目的を偽り、私的な目的で日産の投資資金を支出したという不正行為
3つ目:私的な目的で日産の経費を支出するなどしたという不正行為
日産によれば、ゴーン容疑者は、会社の投資金や経費を私的に流用していたといいます。
また、ゴーン容疑者は、日産側が購入し保有する、世界6ヵ国の高級住宅を、自ら無償で利用している疑いも浮上しています。
このうち、リオとベイルートの住宅については、日産がおよそ60億円を出資し設立したオランダの子会社を通じて購入され、ゴーン容疑者に無償で提供されていたと見られています。
カルロスゴーン容疑者の不正行為に対して、日産の西川広人社長は、残念という言葉をはるかに超えて強い憤りを感じると語り、自分自身に対しては落胆を強く覚えていると語られました。
更に西川社長は、会社としては断じて容認できる内容ではないことは確認しており、専門家の先生からも、これで十分解任たる、重大な不正行為であるという判断を貰っていると語られています。
このことにより、カルロスゴーン容疑者は、解任を提案されるという事になりました。
カルロスゴーンの不正はなぜ起こったのか?
カルロスゴーン容疑者の不正は、なぜ起こってしまったのでしょうか?
西川社長によると、本事案で判明したゴーン主導の不正、長年にわたるゴーン統治の負の側面と言わざるを得ないと語っておられます。
救世主だったゴーン容疑者は、長くトップに君臨する中で、いつしか独裁者になっていたという事なのでしょうか?
カルロスゴーン容疑者の負の側面
カルロスゴーン容疑者は、1999年に45歳の若さで、日産最高執行責任者COOに就任。
2001年にはベストファーザー賞を受賞。
2002年にはスポーツカー「フェアレディZ」を復活させました。
その一方、経営立て直しのカリスマと呼ばれたゴーン容疑者には、シビアな顔が。