韓国経済の中心ともいわれるサムスン(Samsung)の事実上トップ、李在鎔(イ・ジェヨン)が逮捕され、世界に衝撃が走りました。
このような事件は、日本には一体、どのような影響があるのでしょうか?
韓国経済の本格的な衰退開始
財閥トップのが逮捕された事件で、韓国経済の本格的な衰退を感じさせます。
逮捕された、李在鎔(イ・ジェヨン)さんですけれども、サムスン電子の創業者、李秉喆(イ・ビョンチョル)のお孫さんで、慶応義塾大学で学んでいた事もあります。
李在鎔さんのおじいさんの李秉喆さんは、元々、日本で起業されたんですね。
三星商会というんですけれども。
それで、戦後にですね、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領、朴槿恵(パク・クネ)さんのお父さんですね。
朴正煕大統領が、李秉喆さん達を、日本から招聘(しょうへい)して、韓国経済の発展の為に尽くしてくれとお願いしたんですよ。
その時に、この李秉喆さんは、朴正煕大統領に、
「我々に任せてくれ」と。
「財閥主導で経済成長しようじゃないか」
という事で、後で出てきますけれども、韓国の経団連みたいな全経連の初代会長になったんですね。
それで、漢江の奇跡をけん引したのがこの李秉喆という人です。
サムスン電子急成長の立役者
更に、お父さんの李健熙(イ・ゴンヒ)会長はもっと凄くて、今はちょっと意識不明らしいんですけれども、この方が、サムスン電子について、家電であったり、半導体であったり、ディスプレイ、スマートフォンといった新規分野に、ガンガン投資してですね、世界有数の起業に成長させたわけです。
李健熙さんが会長になるまでは、確かに家電とかをやっていたんだけれども、安物でね、パクりみたいな、まぁパクりかもしれないですけれども、そういう製品ばっかりだったんですね。
ですが、この李健熙会長が莫大な投資をして、一気に成長させたのです。
サムスングループ全体だと、たしか、6兆円くらいの資産があるんですね。
まぁ、この方一人で相続するわけでは無いんですけれども、それくらいの規模の巨大会社なんです。
要するに、逮捕された李在鎔さんは、エリート中のエリートだということです。
李在鎔 逮捕の経緯
李在鎔さんは、まもなくサムスングループのトップに立つ人でした。
サムスングループでトップに立って、実際に権力を握るためには、関係会社の株式を支配しなければなりません。
ところがサムスン電子にとって一番厄介なのが、サムスン物産というのがあるんですね。
このサムスン物産の子会社になっているんですね、サムスン電子って。
こういったおかしな関係が色々とあるんですよ、グループの中で。
李在鎔さんとしては、このサムスン物産が目障りなわけです。
で、自分が株式を持っている第一毛織、これもグループなんですけどね。
このグループにサムスン物産を買収させて、吸収合併してしまえば、自分が株主である第一毛織の支配下に置けると、いう算段だったんですが…
第一毛織って、サムスン物産よりも遥に小さな会社なんですね。
なんでこんな小さな会社がこんな大きな会社を買収するんだという事で、ファンドとかが大騒ぎになって出来なかったんですよ。
そこで、李在鎔さんはこの方に頼んだんですね。
朴槿恵と崔順実
朴槿恵大統領になんとかしてくれと。
で、朴槿恵大統領が、前保健福祉大臣の文亨杓 (ムン・ヒョンピョ)さんですね。
文さんに指示をして、文さんが国民年金公団、これはサムスン物産の投資家なんですよ。
サムスン物産の大株主なんですね。
この国民年金公団にですね、サムスン物産の大株主として、合併計画に賛成させたんですよ。
結果的に、サムスン物産は買収されちゃった、という事件、出来事があったんですね。
その時に、朴槿恵大統領が、合併を成功させてやった、代償という事で、崔順実(チェスンシル)被告へ支援してくれと。
この崔順実被告はですね、ドイツに会社を持っているんですよ。
このドイツに企業に、サムスングループから42億円の支援が行われたというのがこの事件なんですね。
崔順実被告の持っているドイツの会社にサムスングループから42億円が渡ったと。
韓国だと、1年間で5万ドル以上海外に送金する場合は、銀行に書類を提出しなければならないんですよ。
それをやっていなかった。
それも違法なんだけれども、更に新しい証拠が出て来たと。
元大統領の大統領府首席秘書官、安鍾範(アンジョンボム)の手帳、ここに朴槿恵大統領の指示が書かれていたらしいと。