マズローの5段階欲求説を生活に活用する方法
マズローの5段階欲求説は、日常生活にも大いに活用することが可能です。
もし、あなたがサラリーマンであれば、やたらと自分の自慢をしたがる上司に、思い当たりがあるかもしれませんね。
その場合は、尊厳・評価の欲求が満たされていないのではと仮定できます。
会社や、周囲からの評価が足りないと感じていると想像できるので、さりげなく上司の褒められたい部分を褒めれば、評価が上がるかもしれません。
2015年の話題になるが、山を切り崩して太陽光パネルを設置したなどの影響により、鬼怒川が崩壊し、民家が水に沈み、流されるといった痛ましい事故が発生してしまいました。
通常の感覚であれば、痛ましい状況に、気の毒だと感じるだろうし、自分に何が出来るだろうかと考えるでしょう。
ところが、このような被害が発生すると、必ず一定数、空き巣に入り、金品を盗む人が現れてしまいます。
このような場合、ただ単に腹をたてるのではなく、もしかすると、犯人は、生理的欲求や安全の欲求が満たされていない人なのではないか、彼らを救済する制度がきちんと活用されていないのではないかという、違う見方が出来るかもしれません。
分かりやすく芸能界での話をすれば、黒柳徹子さんは、ボランティア活動に非常に熱心であることは有名な話です。
もちろん、本人の性格や経験によるところも多いそうだが、もしかすると、黒柳徹子さんは、自己実現の段階も過ぎ、自己超越の段階にあるのかもしれないと、想像することも出来ます。
自己超越の段階であれば、お金や自己満足といった話では響かない。一方で、人類の発展や震災の救済といった話であれば、無償でも受けてくれるかもしれない、という想像をすることも出来るかもしれませんね。
マズローの5段階欲求説をマーケティングに活用する方法
マズローの5段階欲求説は、もちろんマーケティングにも大いに活用出来ます。
マーケティングをするということは、人々に対して、刺さるメッセージをいかに届けるかという事が大切になります。
誰に、何を、どのように伝えればよいのかを考える上で、この5段階欲求説は非常に役に立ちます。
例えば、社会的欲求から上の段階である人は、物質的な欲求は満たされているわけですから、物を売ろうとしてもなかなか売ることが出来ないのではないかと想像出来ます。
一方で生理的欲求や安全欲求の段階にある人であれば、食べる事にさえ苦労している状況であることが想像できるため、身体に良い悪いは関係なく、安くてお腹の膨らむ物を売れば、飛びつくのではないかと想像出来ます。
例えば、吉野家やマクドナルドなどは、この生理的欲求や安全欲求段階の人をターゲットにしているのではないかと想像出来る。最近では、日本での吉野家やマクドナルドの業績が芳しくないと言われています。
ライバルが増えたことや不祥事も原因の1つではあるでしょうが、もしかすると生理的欲求や安全欲求段階の人口が減ったのではないか、といった想像も出来るのです。
マズローの5段階欲求説を使用する際の注意点
マズローの5段階欲求説は、人間の行動を想定する上で、非常に便利な考え方です。
とはいえ、過信するのは危険です。
あくまでも、マズローの欲求5段階説は、マズローが一部の人々を分析し、傾向をまとめた1つのフレームにすぎない。マズローで言うところの愛情に関する社会的欲求は、3段階目に現れるという事になっています。
ですが、親の子供に対する愛情や、子供の親に対する愛情がこの段階にならないと表れないと言われると、甚だ疑問に感じてしまう。あくまでも、そういう傾向の人が多いらしいというレベルに留め、先入観を持って人と接するといった過ちを犯さないよう、活用にはくれぐれもご注意くださいね。
参考図書:現代広告の心理技術101