マズローの欲求5段階説のマーケティング活用法をわかりやすく解説!

アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローが提唱した『マズローの欲求5段階説』

ビジネスの世界では手垢が着いたなどと揶揄される事も多いですが、なんとなく聞いたことはあるものの、なかなかビジネスに応用できないものではないでしょうか。

マズローの欲求5段階説は、ビジネスに活用出来るのはもちろんのこと、日常生活にも大いに活用できるとても便利な考え方です。

そこで本日は、『マズローの欲求5段階説』をどのようにマーケティングや生活に活かせばよいのかをご紹介します。

アブラハム・マズローの人物像

マズローの欲求5段階説

出典:http://ceciliarobles.com/

アブラハム・マズローは、アメリカはニューヨーク州のブルックリン区生まれの心理学者で、人間性進学の生みの親であるとも言われている人物です。

マズローの両親は、ロシアからアメリカに渡ってきた貧しいユダヤ人移民であったと言われています。

1908年に長男として誕生したマズローは、7人兄弟の長男として家族の期待を背負い、学問の道に進むこととなった。ユダヤ人移民という立場、極貧の状況からアカデミックでの成功を収めたマズローは、人間の欲求が段階ごとに変化することを発見し、後に欲求段階説として提唱される事となります。

マズローの欲求5段階説

マズローは『人間は自己実現に向かって常に成長し続ける生き物である。』と定義し、人間の欲求を5段階の階層で分類しました。

晩年のマズローは、6段階目の高次な欲求が存在する事を発表するが、殆どの人はその段階に到達する事が出来ない事もあり、マズローの欲求5段階説として説かれるのが一般的となっています。

マズローの5段階欲求説を図に示したのが下記の図です。

マズローの欲求5段階説

マズローによれば、欲求は低次なものを満たさなければ、高次な欲求は表れないと言います。

ピラミッド状の形が示す通り、ピラミッドの下層から上層に向かうに連れ、欲求段階にある人の数は減って行く事となります。

第1段階:生理的欲求

1段階目は、生理的欲求と呼ばれる段階です。

生命を維持するために必要な食事や睡眠、排泄といった本能や根源的が満たされていない場合に生じる欲求です。

いわゆる、『今日、生きるか死ぬか。』の段階ですね。

例えば、無人島に1人取り残され、助けがいつ来るのか分からない様な状況です。

基本的に日本人であれば、生存権による国の保証に守られていますので、よほどの事が無い限り、この段階にある人は殆どいません。

一方、人間以外の動物が、この段階を超えることはほぼ無いと言われています。

第2段階:安全の欲求

2段階目は、安全欲求と呼ばれる段階です。

生きる、死ぬまで切羽詰っているわけでは無いが、身体の安全や経済的な安定、災害からの安全や自己の防止、保証の確保など、現状を維持しようとする欲求です。

生理的欲求が発生する状態に陥らないように望む欲求とも言えます。

例えば、会社で働く場合は、正社員を望む人が多かったり、生活保護の制度が用意されている事であったり、安保法案に反対してデモも行なう、といった行動も、この安全欲求から来ていると言えるでしょう。

物質的欲求・精神的欲求

1段階目の生理的欲求、2段階目の安全欲求の段階までの欲求を、総じて『物質的欲求』と呼ばれている。つまり、物が足りていないと感じている状態です。

一方で、3段階目以上の段階の欲求の事は、『精神的欲求』と呼ばれている。これは、物質的には満たされているが、心が満たされていない状態であるということであります。

第3段階:社会的欲求・愛情欲求

3段階目は、社会的欲求、愛情欲求と呼ばれる段階だ。わかり易く言えば、社会から必要とされたい、他人から愛されたいと渇望する欲求です。

仲間はずれを極端に恐れ、やりたくもないイジメに加担してしまったり、自分探しの旅に出掛けて行ってしまったり、気を引くためにグレてしまったりなどの行動は、この社会的欲求・愛情欲求から来ていると言えるでしょう。

第4段階:承認・尊厳欲求

4段階目は、承認、尊厳欲求と呼ばれる段階です。

この段階になると社会から必要とされる事は当然として、集団から凄い人間であると思われたい、または、自分自身で凄い人間であると思いたいという欲求段階に入ります。

他人からの承認としては、地位、名誉、名声、権力、利権、注目などを得たいと渇望する欲求だ。自分自身での承認としては、自信、自尊心、達成感、などを得たいと渇望する欲求に当たると言えます。

例えば、アイドルになる、オリンピックで金メダルを取る、といった行動は、この承認、尊厳欲求から来ていると言えそうですね。

屈折した行動になると、事件などを起こした犯人が、自分の犯行声明を公にするなどといった行動も、ある意味、承認、尊厳欲求から来ていると言えなくも無いでしょう。

この承認、尊厳欲求が満たされないと、人は劣等感や無力感を感じるようになると言われています。

欠乏欲求・存在欲求

1段階目の生理的欲求から、4段階目の承認・尊厳欲求までを含めて、『欠乏欲求』と呼んでいます。物質的または精神的に満たされていないと感じている状態であるということです。

一方で、5段階目以上の段階の欲求の事を『存在欲求』と呼んでいます。

これは、物質的にも精神的にも満たされていると感じている状態であるということです。ここより先は、自分の才能や可能性をどれだけ活かすことが出来るかを、追求する段階とになります。

第5段階:自己実現欲求

5段階目は、自己実現欲求と呼ばれる段階です。

この段階になると、欠乏欲求は満たされている状態となり、自分にしかない能力や可能性を最大に活かしたい、成長したいという欲求が強く表れてくる段階になります。

マズローによると、自分や他人に対して寛容になり、他人に対しての偏見が無くなったり、事実を正確に把握しそれを受け入れる事が出来たり、問題解決力、自発性、創造性が高めたいといった欲求が現れてくる段階だと言います。

自尊心も、他人からの尊厳も満たされているのは当たり前の状態で、自分の才能や更なる可能性を探求する段階にあると言えます。

第6段階:自己超越・貢献欲求

6段階目は、自己超越・貢献欲求と呼ばれている段階です。

この段階に入ると、自分に対する欲求は、ほぼ満たされてしまった状態となります。

マズローによると、自己超越者には、落ち着いていて瞑想的な認知をする、創造的かつ聡明であるが極めて謙虚である、他人の不幸に対して自分の事のように痛みを感じる、多角的な視点がある、といった特徴があると言います。

興味深い特徴としては、自己超越者は、外見的には極めて普通であると言います。

マズローによれば、自己超越者のレベルに達している人間は、人口の2%程度にすぎず、子供でこの段階に達することは不可能であると結論付けています。

マズロー自身が自己超越者であると認め、調査した人数が12人しかいないという事なので、このレベルに達した人が、いかに少ないかという事が、お分かりいただけるのではないでしょうか。

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